皆さんこんにちは。
美容室コンサルを専門に行う中小企業診断士の猪師です。
美容室経営をしていると、「今月は仕入が多かったから利益が少ないなあ」とか反対に「今月は先月買った材料をうまく捌けたから利益が大きいぞ」といったように、毎月の仕入額によって利益が出る月と利益が出ない月があって、その度に一喜一憂している方が多いかと思います。
このように仕入額の予想が当たるかどうか次第な経営って、非常に不安定であり先が読めないので心配になったりしませんか?
そこで本日は、
・先行きが不透明で将来が不安
・自分のサロンがきちんと利益が出ているのかを知りたい
・資金繰りがうまくいっていない
そんな美容室経営者のために、経営の専門家である中小企業診断士の猪師が皆さんの不安を解消するべく、先行きを明るくするための方法として「在庫管理を毎月実施することで得られるメリット」を解説します。
この記事を読めば、在庫管理で得られる効果を理解でき、毎月の月次決算で正しい利益を把握できるようになるため、資金繰りにも困らなくなります。
さらに詳しいことを知りたい方はお問い合わせフォームからのご質問も無料でお受けしておりますのでお気軽にご連絡ください。
在庫管理で得られるメリット
美容室が在庫管理を毎月実施することで得られるメリットについて、結論からお話ししてきたいと思います。
在庫管理を毎月実施することで得られるメリットは、、、
①材料費のムダに気づくことができるようになる
②仕入業者の甘い誘惑を断ることができるようになる
③銀行からの借入を適切に管理することができるようになる。
です。
それでは早速詳しい説明に移っていきましょう。
材料費のムダに気づくことができるようになる
なぜ在庫管理をきちんと行うと材料費のムダに気付けるのか
在庫管理をきちんと行うと材料費のムダに気づくことができるようになります。
なぜ、材料費のムダに気づくことができるかというと、在庫管理を行うことで「その月で使用した材料費を特定」できるようになるからです。
その月で使用した材料費を特定できるようになるということは、本来計上すべき費用を知ることができるようということです。
材料費は、美容室経営における変動費のほとんどを占めるので、「材料費が特定できる」=「美容室の変動費を特定できる」ということであり、売上高 – 変動費 = 粗利なので、粗利や粗利率の特定もできるようになります。
美容室の粗利率は、大体90%くらいなので、もしあなたの会社の粗利率が90%を割っているようであれば、材料費に何かしらのムダが発生している可能性があります。
正しい粗利率を把握できるようになる
粗利率を把握は、経営をする上で一番大切なことです。
なぜ大切なのかはこちらの記事に書いているので目お通しておいてください。
【経営者必見】売上よりも粗利を意識した方が良い理由と代表的な粗利アップの方法3選
粗利率をきちんと把握できていると粗利率が悪化したことに気付けるようになり、原因を特定するまでの時間が飛躍的にアップします。
例えば、材料の仕入値が思ったよりも高かった、スタッフが一回の施術で材料を使いすぎていた等ということが起こっていたとしても、正確な粗利率を普段から把握できていないと、そもそも粗利率が悪化している原因を探そうとすらしないと思います。
利益体質の会社を作っていくためにはこういったムダとなるものを早急に潰すことが大切です。
店舗によって粗利率が悪化する原因は様々かと思いますが、ムダを特定するために在庫管理は非常に大事だと言えます。
在庫管理の方法
次に、なぜ、在庫管理を行うことで「その月で使用した材料費を特定」できるかを簡単に説明していきます。
本来、費用というのは、その月に買ったものの金額ではなく、その月に使ったものの金額が計上されます。
ただ、通常のオペレーションをしていると、使ったものの金額がいくらなのかまで知ることができません。
そこで在庫管理の登場です。
在庫管理をすることで、以下図のように期初(月の初め)にいくら分の在庫があったか、その月に買った材料はいくらか、期末(月の最後)にいくら分の在庫が残ったかを把握することができるようになります、そうすると自ずと材料をいくら分使ったのかまでを知ることができるようになります。
図にするとわかりやすいので簡単な例を見てみましょう。
まずは在庫管理をしていない場合です。
こちらの図の通り、一般的な在庫管理をしていない店舗では仕入=費用として計上しているかと思います。
それでは、反対に在庫管理をしている店舗の場合を見てみましょう。
在庫管理をしている場合、
・支出は1,000千円ですが、
・在庫が200千円増えている = 200千円分使っていないため、
・実際の費用は800千円になる。
といったように、正確な費用を算出する事が可能になります。
このように在庫管理をすると、その月に「いくら分を仕入れたのか」ではなく「いくら分を使ったのか」で費用計上できるようになるので、毎月の試算表の精度が飛躍的に向上します。
銀行からの借入を適切に管理することができるようになる。
在庫を把握することで必要な運転資金がいくらかを知ろう
あなたは銀行からお金を借りるとき、何を考えていくら借りていますか?
あまり借りすぎると利息が大きくなりすぎるし、かといって借入が少ないと運転資金が足りなくなる、、、
特に運転資金を借りる際には、一体どのくらいの金額が最適なんだろうと思う経営者さんは多いはずです。
在庫管理をしっかり行っておくとそういった悩みが少なくなります。
一般的には、売掛金 + 在庫 ー 買掛金 = 必要な運転資金 と言われています。
売掛金と買掛金は問題なく算出できるので、あとは在庫さえしっかり把握できていれば必要な運転資金は簡単に把握することができます。
在庫変動を考慮して運転資金を算出しよう
美容室の在庫は月によっては大きく変動する場合があります。
毎月の在庫をしっかりと把握しておくと本当に必要は運転資金金額を知ることができるようになります。
毎月、在庫管理をすることで、在庫が一番大きくなる月の在庫を基に運転資金を借入することで、運転資金が足りなくなるような事態を避けるようにしましょう。
反対に毎月の在庫を把握できていないと、運転資金がいくらなのか分からないので借入金額も「なんとなくこれくらい」になってしまいます。
借入は失敗すると後に尾を引きますので、計画的に戦略的に行うようにしましょう。
仕入業者の甘い誘惑を断ることができるようになる
仕入業者から提案をされてよくやってしまうことの一つに、「値引きをしてくれるから大量に購入する」があります。
一見、得しているように見えるこの提案ですが、場合よっては会社を窮地に追い込むことになるので気をつけなければいけません。
この取引の何が問題かというと、大量に購入するということはその分現金も大きく失うということです。
最終的に売り切れればいいですが、売り切れずに在庫が大きく残ってしまう可能性がありますし、売り切ったとしても現金化するまで時間がかかってしまうので、回収するまでの期間の現金をどのように確保するかを考えなければいけません。
損益計算書上は、大量購入による値引きによって利益率が向上しているように見えるかもしれませんが、資金繰りが大変になり、資金の確保のために経営者の大切な時間を奪ってしまいます。
それは会社にとっては大きな損失になるので、自社の体力に見合った買い方をしないと後悔することになります。
在庫管理をきちんと行い、在庫に関するポリシーを決めておくと仕入業者の甘い誘惑に乗ってしまい「現金が足りない!」といった状況に陥らなくなります。
まとめ:
今回の記事では、美容室が在庫管理を毎月実施することで得られるメリットについて解説しました。
①材料費のムダに気づくことができるようになる
・在庫管理をすることで粗利率を正確に把握できるようになる
→粗利率:90%を切っている場合は無駄がある可能性あり
・粗利率が一定になるため、異常にすぐ気づくことができるようになる。
→即座にムダを見つけられるので、すぐに対策を建てられるようになる。
②銀行からの借入を適切に管理することができるようになる。
・必要な運転資金を正確に把握できるようになるので、必要最小限の借入に抑えられる。
③仕入業者の甘い誘惑を断ることができるようになる
・適正在庫を知り、目先の利益を追わなくなる。
在庫管理は地味で面倒くさいので毎月実施するのはちょっと、、、と思うかもしれません。
ただ、ちゃんとやることでこれまで説明した通り、大きなメリットが享受できますので、正しく在庫を把握することで、健全経営に繋げていけるようにしましょう。
ただ、在庫管理をどのように行えばいいかわからない方もいるかと思います。
そんな方は是非ぼたんコンサルティングへご連絡ください。
中小企業経営の専門家への相談が初回無料で受けられますのでお気軽に以下のお問合せフォームから問合せ頂ければと思います。
本日は最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。
今後も継続して記事を更新していきますのでお楽しみに!
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